【会派視察】多文化共生の取組について 伊勢崎市 令和8年5月25日

足利志士の会の三名で、外国人問題について先進事例を学びに群馬県伊勢崎市に訪問しました。

記事作成日:2026/6/7


伊勢崎市内の外国人住民について

伊勢崎市は、群馬県内では大泉町に次いで外国人比率が高い自治体で、人口211,011人に対し、外国人住民は17,514人、およそ8.3%規模とのことです(令和8年3月1日現在)。
人口でいうと、群馬県内トップです。

ブラジル、ペルー、フィリピンなど、比較的長期間滞在している方が多く、在留資格では永住者が最多。一方で近年はベトナムやインドネシア国籍の方が増加しており、インドネシアがペルーを上回ったとの説明がありました。

上位10カ国で外国人住民全体の9割以上を占めているため、主要国籍ごとに重点的な施策を実施している点が特徴です。

これは、先日訪問した大泉町でも同じような現象でした。

上記画像のデーターは群馬県のものです。

参考サイト
伊勢崎市の人口に関するデータ(伊勢崎市)
群馬県内の外国人に関するデータ(群馬県庁)

地域課題は「生活ルール」

やはり課題として多いのは、

  • ゴミ出し
  • 生活騒音
  • 交通ルール
  • 違法駐車

など、生活ルールに関するものとのことでした。

伊勢崎市では、インドネシアを除く主要9カ国について、地域コミュニティのキーパーソンを認定し、市からの情報発信や周知に協力してもらっているそうです。

一方、インドネシアについては、技能実習生など短期滞在型が多く、店舗や地域コミュニティの核となる人物が少ないため、同様の体制づくりが難しいとの説明でした。

このあたりは、国籍別・在留資格別に状況がかなり異なることを感じました。

なお、伊勢崎市内には複数のモスクがありますが(地図で見ると3か所)、ムスリムコミュニティについてはバングラデシュ人の方々が中心的な役割を担っているとの説明がありました。同じイスラム教でも、地域によって出身国やコミュニティの構成に特徴があることを改めて感じました。

行政窓口にも通訳を配置

市役所には会計年度任用職員の通訳を配置しており、必要に応じて担当窓口まで同行し、相談や説明のサポートを行っています。

また、「多文化共生センター」では、生活相談などに対応。

印象的だったのは、透明パネル越しに会話を行い、双方の言語がリアルタイム翻訳表示されるシステムです。

機械翻訳だけではなく、「対面で相談できる安心感」が好評とのことでした。

企業連携の進め方が参考に

特に参考になったのは、市内企業との連携方法です。

外国人従業員が多い企業約50社に対し、まずはメールアドレス登録をお願いし、情報共有の仕組みづくりから始めたとのこと。

足利市でも、市民からは、
「企業側にもゴミ出しや生活ルールの講習をしてほしい」
という意見はよく出ますが、実際にはハードルが高く、多文化共生の歴史が長い大泉町でも簡単には実現していませんでした。

そのため、

「まずは参加しやすい形でつながりを作る」

という段階的なアプローチは非常に現実的だと感じました。

足利市でも参考になる点

足利市でも参考になると感じたのは、国籍別・在留資格別の情報整理です。

伊勢崎市では、多文化共生担当部署が住民基本台帳の目的外使用申請を行い、国籍別・在留資格別のデータ整理を実施しているとのことでした。

これは、両毛六市のテーマ別研修会でも大田市はデータを持っていましたので、群馬県内では標準的な取り組みなのかと思いました。

外国人施策を考える上では、

  • 永住者なのか
  • 技能実習なのか
  • 定住型なのか
  • 短期循環型なのか

によって、必要な施策がかなり変わってきます。

足利市でも、まずは現状把握を丁寧に進める必要があると感じました。

【伊勢崎市の視察 フォトギャラリー】

始めに会議室でのレクチャーから。
先日の選挙後に議長になられたばかりという藤生議長様からご挨拶がありました。

やさしい日本語や多言語の案内等を参考に。

市役所本庁舎1階のには、一般の窓口と並んで外国人相談窓口があります。
ベトナム語、ポルトガル語、スペイン語での対応が可能。
こちらが総合的な窓口として相談を受け、必要があれば各窓口に付き添いをします。

栃木県内でも小山市は同じような取り組みをしていました。

こちらは市役所から車で7分ほどの場所にある「絣の郷(かすりのさと)市民交流館」です。

「絣」といえば、伊勢崎市も銘仙で産業を興したまちですね。
両毛六市以外の地域ではありますが、歴史的文化的なつながりがあると感じます。

館内には外国人の生活相談を受ける多文化共生センターがあります。

センター内部
こちらにも通訳ができる職員さんがいらっしゃいます。

窓口では対面で多言語表示できるパネルを設置。
外国人が母語で話すと、窓口の職員側には日本語で表記されます。

このパネルのお値段は結構するそうです・・・。

栃木県の場合には、こういった多文化共生のための取組みに対して県からの補助金制度が用意されていますが(外国人との共生社会の実現に向けた地域課題解決等支援事業費補助金)、伊勢崎市の場合は、デジタル田園都市国家構想交付金を利用してこうしたパネルなどを整備したそうです。

足利市の場合は、教育DXの分野でデジタル田園都市国家構想交付金を活用しています。

外国人に関する相談も、分かりやすくタッチパネルで表示していて、知りたい項目を押すと、必要な情報が掲載されている外部ホームページに直接飛ぶことが出来ます。

お役所のホームページは通常のウェブ検索では必要な情報にたどり着きにくいので、情報を一元化してあると便利ですね。

こちらは本庁舎にある伊勢崎市議会の議場。

視察で訪問すると、議場も見学させていただくことが多いのですが、本庁舎と渡り廊下でつながる別棟に議会事務局があるのは珍しいです(栃木県庁もですが)。

議会棟の建物は旧耐震基準時の1979年(昭和54年)3月に竣工し、その後、2011年(平成23年)2月に耐震補強および大規模改修工事が実施されています。

議場の大モニターや議員席のマイクなどはないので、DX化はそれほど進んでいない印象ですが、館内はリフォームされており、古さは感じません。

足利志士の会のメンバーと。

ちなみに、伊勢崎市の市章が陰陽のマークになっているので、なぜ?と思いましたが、「この地域にゆかりの深いまがたまを用いて、いせさきの「い」の字をデザインしたもので、市民の融和と本市の発展を表しています。」とのことで、陰陽五行説とは関係なさそうでした。


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