【議会】令和7年第4回市議会定例会 一般質問 ~新クリーンセンター 物価高騰による影響 ~他

【目次】

 

【令和7年第4回市議会定例会 一般質問】

2025年6月13日(金)13:10~

7回目の一般質問は、個人枠で最終日に登壇しました。

当初は6月16日(月)の11:10~から登壇予定でしたが、13日(金)に登壇予定だった三田議員が緊急入院し、一般質問にも出席できなくなったということで、予定が繰り上がりました。

【一般質問の通告書】

一般質問通告一覧はこちらから(最新のものになります)

https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/manage/contents/upload/684bebb03ea98.pdf

【用語解説】

一般質問とは、定例会において、議員が市の施策の状況や方針などについて、報告、説明を求めたり質問することをいいます。

一般質問の発言通告書は本会議初日の1週間くらい前に提出します。

一般質問は3日間(+予備日1日)が予定されており、1日最大4人が登壇します。一問一答方式で、質問は一人30分以内の時間制限があります。

代表質問は会派の代表者が初日に行います。形式は一問一答方式で同じです。本来であれば、会派を代表する内容の質問でなければならないはずですが、議員個人の関心のある事項の質問であることも多いです。

本会議場で傍聴する方法はこちら

当日は、わたらせTVでの生放送、市議会インターネット生中継も実施されます。

足利市議会の動画生配信はこちら

【しぎかいひろばの記事】

一般質問の中から私が重要だと思った質問を一つだけピックアップし、それに対応する当局の回答を掲載していただいたものです。

※準備中です


【一般質問の概要+α】

一般質問の詳細については動画でご覧いただけます。※準備中です
発言部分の議事録はこちらです。※準備中です

一般質問の全体については、動画や議事録で確認できますので、ここでは、補足情報を掲載いたします。

2025年6月13日現在の情報ですので、今後変更になる場合がございます。

1、所有者不明土地・建物について

国交省等の調べでは、全国に所有者が不明な土地は国土の2割(九州の面積に相当)ほどあるそうです。

大前提として、空き家や土地については、他人所有である以上勝手に行政が介入することはできません。

しかし、所有者が不明な空き家や土地については、管理が行き届かず荒廃していくのが明らかであるにもかかわらず、何も手が出せないのではおかしい。

そこで、今後も増え続ける所有者不明の財産について、民法その他の法改正により、所有者(相続人を含む)が不明な土地や建物について、裁判所が管理人等を選任し、許可を得れば土地の売却までできるようになりました。

この制度を使って何とかできないかという問題意識で質問しました。

(1)Dランク空き家について

質問:本市では、市内にある空家等について、その状態に基づき、AからDの4段階でランク付けされている。令和7年5月末の時点でDランクという最も危険性の高いある状態に分類される空き家が240件あるという。その中には周囲の生活環境に深刻な影響を及ぼすと考えられる所有者不明の物件について、市はどのようなリスク評価と優先順位づけを行い、対応の基準と判断を下しているのか。

回答要旨:Dランクの空きや240件のうち、所有者不明の空き家は2件、今まで財産管理制度(民法改正前)を活用した事案は7件という回答でした。所有者不明の空きやについては荒廃がすすむことから、リスク評価に関わらず優先的に対応したいとの考えだそうです。

私は所有者不明の1件と思われる物件について相談を受けました。一部の相続人が相続放棄をしましたが、さらに相続人を遡っていっても戸籍からはたどり着けないほどの案件でした。
もし、取り壊したとしても、現実には、自分の所有物だからと文句を言ってくる人は現れないでしょう。ただ、行政の側から壊してもいいとは言えません。

本来であれば、改正民法の「相続財産清算人(旧相続財産管理人)」を活用して、空き家の取り壊しと土地の売却が可能はなずですが、土地には資産価値を上回る抵当権がついており、たとえ土地を売却しても債務が残ってしまうため、手が付けられない状態という事案でした。

では、困っている人が大勢いるのに行政は何もしてくれないのでしょうか?

不特定多数人に多大な影響を与えるような危険な空き家の場合には、代執行により解体することもあります。

直近の代執行の事案ですが、通学路沿いにあった今にも崩壊しそうな空き家に対し、800万円ほどの費用をかけて解体されました(国の補助金1/2を活用)。

市内には同じくらい危険な空き家が240件ありますが、これだけの税金を投入するには、大勢の人に影響がある物件に限られるということになります。まさに最後の手段です。

せっかく新設された財産管理制度ですが、解決には時間がかかること、管理人(弁護士や司法書士)の報酬となる予納金を納めなければならず、土地を売却しても収益を得られない場合には、行政が介入しにくいという問題があります。

この財産管理制度は危険性や緊急性の度合いとはリンクしていないので、土地の価値が低い立地だと使い勝手が悪いことになります。結局のところ、防災の観点からではなく、遊休資産の有効活用のための制度という側面が大きいように見えます。

ただ、今後、他の自治体での事案が蓄積されていけば、足利市でも活用できるようになるかもしれません。

(2)土砂災害等について

質問:・近年、予測困難な豪雨災害が続いており、造成された法面や擁壁が老朽化することで崩壊し、土砂災害やがけ崩れが発生する可能性が考えられる。所有者不明土地であると、適正な管理等が困難になり、様々な不具合が生じると考える。そこで、行政が裁判所に対し、所有者不明土地管理命令を申し立てること で、管理人を通じて適正な管理等を行うことはできないか。制度に対する本市の認識と、今後そのようなリスク箇所の把握や制度活用の方針について見解を聞きたい。

先日、小俣町の山あいにある戸建ての盛り土の部分が崩落するという事件がありました。この場所は、土砂災害(特別)警戒区域には指定されていなかったそうです。

危険な空き家と同じような考え方で、土砂災害の危険性があるような所有者不明の土地にも応用できないのかと、素朴な疑問から質問しました。

前提として、土砂災害(特別)警戒区域等の指定、それらの危険区域の工事等は県の管轄になります。市は、災害の際、地域の住民を避難誘導することが主な任務です(担当は危機管理課。土木事業については管轄外です)。

参考:土砂災害警戒区域等の周知について(足利市)

市は、土砂災害(特別)警戒区域については定期的に巡回して異変を確認する作業は行っていると思いますが、指定されてない地域でそうもいきません。
そもそも土砂災害の危険性は外観から判断が難しい。住民から通報があったとしても、危険と感じるのは人によってレベルが違いますし、客観的に危険かどうかを調査するにもお金がかかるため、通報のたびに対応するのは困難というのが実情です。

しかし、空き家の場合には所有者不明でも対応できる可能性がありますし、森林の場合、倒木の危険があれば税金で工事できる制度があります(この場合は所有者もいてその同意が得られることが前提なので事案は異なりますが)ので、土地だけないのはおかしい、何とかできないのかな・・・というのが質問の趣旨でした。

民法その他の法改正により、行政も「利害関係人」として財産管理制度の申立人になることができるようになりました。
しかし、予納金などの費用は当事者が負担することになります。
法改正は、主として公共事業を円滑に行うためであって、私人間のトラブルは当事者間で解決するという大原則は変わらないのです。

危険な空き家よりも不特定多数の住民に甚大な被害が出る恐れがあるのに、アンバランスではないかと感じました。

なお、急傾斜地崩壊危険区域に指定されると、県の負担で防災工事をしてくれるのですが、その要件として一定の被害が想定されることが必要なので、危険な場所は住民が団結して危険性を訴えると効果があるかもしれません。

参考:土砂災害(特別)警戒区域と急傾斜地崩壊危険区域の違い(東京都)

長崎市など、急傾斜地がほとんどのため、県と市で防災工事を行う事業があります。

参考:長崎市急傾斜地崩壊対策事業

2、新クリーンセンターについて

質問:現在建設中の新クリーンセンターについて、今後の物価高の影響によりインフレスライド条項の適用が考えられるが、建築費の上昇はどの程度見込まれるか。

新クリーンセンターは2025年2月17日に起工式が行われ、2028年4月の稼働を目指して順調に工事が進んでいます。

参考:新クリーンセンター工事現場の状況(随時更新)

そこで気になるのが、昨今の物価高による工事費の増額についてです。

建設費が約280億円、20年間の管理運営費が約225億円、合計約503億円で落札されました。
令和5年12月の契約ですから、この1年半の物価上昇はかなりのものですので、最終的にどれだけ金額が上乗せされるのか、質問しました。
(契約にはインフレスライド条項が記載されています。)

回答要旨:今年の秋頃に事業者が積算の結果を報告するため、現時点では具体的な金額が不明ですが、業界団体が発表している標準的な建築費指数によると、契約締結から現在までの期間において、工事費が約10%以上上昇している状況だそうです。
また、それ以上の値上がりがあったとしても、利子が有利な起債や建設後の収益で賄うよう努力するので、計画の見直しはないという回答でした。

感想:工事費の10%でも約28億円です。金額は大きいですが、市民からしても昨今の食料品等の値上げを考えれば、それくらいはやむを得ないと思う方も多いと思います。でも、管理維持費も含めて20%、30%以上となると、見直しを考えた方が良いのではないかという意見も出てくるのではないかと思います(市役所や市民会館が建てられるレベルになるかもしれないので)。

ただ、計画の見直しにも新たな設計費用や建築業者への補償のコストがかかるので、そう簡単な話ではありません。

なお、他市の事例では、50%以上の値上がりで計画を見直した例があります。

3、(仮称)新足利市民会館及び市役所本庁舎等整備基本計画策定市民検討委員会委員について

質問:・一般公募委員の公募に対して、何名の応募があったのか、また、応募者の年齢層や性別などの傾向について聞きたい。
・応募時に提出された作文を通じて、市はどのような観点から選考を行ったのか、選考基準や重視した点について具体的に聞きたい。
・選出予定の2名の一般公募委員について、どのような点を評価し、選考したのか。

今年度から新市民会館と市役所の建替えについておよそ2年間、基本構想の策定に入ります。基本策定が出来上がれば、それに沿ってどのような市民会館、市役所を建てるのかがほぼ決定されますので、市民検討委員会は重要な役割を果たすと言えます。

どのような人選がなされたのか、発表の時期と重なるので質問してみました。

2025年4月23日より市民検討委員会委員を2名募集し(うち1名は20代~30代の女性)5月22に締め切り、6月上旬に結果が出たそうです。

回答:7名の方から応募があり、30代から60代まで幅広い世代の方にご応募いただき、性別についても偏りなく応募があったそうです。
応募に当たっては、「市民会館及び市役所の果たす役割について」というテーマで400字以内の作文を提出していただき、本事業に対する問題意識、主体性などの観点から評価を実施したとのこと。
応募いただいたすべての方が本事業の重要性を認識しており、熱意を感じられる内容となっていたが、その中でも特に優秀だった2名の方を委員として選出したそうです。

この2名の他にも各業界団体、専門家、有識者などの検討委員がいます。
市民検討委員の具体的な属性は個人情報のため教えてもらえませんが、今後、議事録は公開されます(誰の発言かは書かれていないそうです)。

時期を見て一般市民への意見公募等もなされる予定だそうですので、ご意見のある方はその機会を逃さないようにしましょう。

4、文化財を活用した観光について

質問:本市には文化財に指定されているみこしが複数あるが、市内各地域のみこしを一斉に集めて、パレード形式のイベントを開催することは可能か。また、八木節についても、飛び込み参加可能で、市内外の団体が一堂に会して、演奏・演舞を披露する大規模なパレード形式のイベントを開催することは可能か。文化財を活用した観光振興の一環として、そのようなイベントのそのようなイベントの開催について所見を聞きたい。

昔あった、「ヤングヤング大行進」。私も小学生の時に2回ほど東小学校の吹奏楽部でマーチングバンドとして出演したことがあります。50代以上の方ならば記憶に鮮明に残っているのではないかと思います。

祭りはエネルギーの塊です。見る者を元気にしてくれます。

そんなパレードを、足利の文化財が結集するような形で行うことが出来たら良いのに、そんな思いで質問しました。

回答:本市は数多くの貴重な文化財が残されており、適切に守り伝えていく責務がある。また、こうした文化財の活用を図り、多くの方にその価値を知っていただくことで、認識が深まり郷土愛の醸成につながるものと考える。
 みこしや八木節を活用した大規模なパレード形式のイベントの開催については、文化財の周知啓発や活用面だけでなく、八木節の振興とまちなかの賑わいを創出し、観光と連携した文化観光の取り組みにつながるものと考える。
しかし、こうした大規模なイベントの実施に当たっては、所有者の意向、参加する関係団体・市民のニーズのほか、実施主体や費用の問題、さらに、道路の交通規制など様々な課題もあるので、これらを総合的に勘案していく必要があると考える。

有形、無形の文化財のパレードの意義については汲み取っていただけました。
ただ、課題についてもその通りです。

文化財に指定されているお神輿は2点だけだそうです(うち一つは地元)。文化財なので破損の恐れがあってはいけないから、持ち出して移動するのはなかなか大変だそうです。
それ以外でも各町内でお神輿を担ぐお祭りがあるので、文化財に限らず各町内のお祭りを全市的に披露する機会があっても良いのにと思います。

また、八木節については「足利百景八木節のふるさと祭り」というのが開催されていますが、なかなか地元以外の人の目に留まらないので、県道67号線沿いでパレード形式にしてみるのはどうかと思いました。

たまたま、次の議員の質問でも八木節が取り上げられましたが、今は八木節を踊る学校も少数だそうで、是非、全校で八木節を踊る機会を取り入れて欲しいです。

どこでも伝統文化や伝統芸能は高齢化でなり手不足に悩まされています。
伝統は残しつつも、多少のアレンジや遊び要素を加えて、若い人の関心を集める工夫が必要なのではないか。

青森ねぶた、山形花笠まつり、秋田竿灯まつりと夏の東北の祭りを立て続けに見に行く機会がありました。歴史文化を踏襲する伝承会、県内の各企業、町内会、小中校から大学まで、行政も県庁、市役所と参加しています。
どの団体が素晴らしかったか、観客の投票で○○賞が与えられるので、やりがいもあるかと思います。
出場することが誉となるようなイベントに市民が育てていくことが大切なのかと思います。

【一般質問の動画】

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【関連する一般質問】

【議会】令和5年第3回市議会定例会 一般質問 南部クリーンセンターの建替えの件 & 感想


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【議会】令和5年第3回市議会定例会 一般質問 南部クリーンセンターの建替えの件 & 感想

2023年6月9日より令和5年第3回市議会定例会が始まりました。

定例会では、会派枠の代表者2組に続き、個人の議員が議案に対する質疑お及び一般質問が行われます。

今回、会派枠が2人、個人で質疑及び一般質問を行うのは11人。

新人は公明党のお二人と私一人です。

2023年6月29日更新
⇒小沼みつよの一般質問の録画放送はこちら

 

【目次】

 

 

【今回の一般質問のテーマ】

私のテーマは、南部クリーンセンターの建替え(新クリーンセンターの設備整備)についてです。

令和5年1月に入札告示、6/19入札書類提出締切、8月に落札予定、12月に契約締結が行われる予定ですが、市民の9割以上は設備の概要も入札金額も知らないと思われます。

入札予定額600億円超という足利市史上最高金額の公共事業ですが、ごみ処理センターだけをとっても相場よりも高額であり、さらに大型スポーツクラブとスーパー銭湯を足したような巨大施設が付加されています。

どうしてこのような施設になったのか、この金額は果たして妥当なのか?

他に市民会館の建設や公共施設の統廃合が控えているにもかかわらず、市民に詳細が知らされないまま進められようとしているため、改めてその事業の内容を明らかにしたいと考えています。

【質疑及び一般質問通告一覧表】

⇒その他の議員の一般質問の日時と概要はこちら

 

【小沼みつよの一般質問の概要】

1、新クリーンセンターの設備整備について

(1)入札金額と設備の変更

・市のHPで公開されている「足利市一般廃棄物処理設備整備基本計画」[概要版]によると、平成29年の段階では、新焼却施設の建設費の概算が98億円~122億円、新リサイクル推進施設の概算が14.1億円だったものが、令和2年にはそれぞれ188億円、29億円と倍近い額に増加している。増加分は建設費の高騰だけなのか、設備の変更があったのか。変更した場合には、具体的にどの部分がどれだけ費用増加につながったのか聞きたい。

(2)余熱体験施設

・今回の入札に関する要求基準書では競泳用の25mプールが5レーン以上、トレーニングジム等大型スポーツクラブと変わらない施設が追加されている。ごみ処理施設とこれらの施設を合わせると入札価額は建設費約320億円、管理運用費約285億円の合計約604億円にも上る。ごみ処理施設にこの規模のプール等の施設が付加されることになった経緯を具体的に聞きたい。

・プール・温浴施設等に関し、事業者に支払う1年間の委託料はいくらを予定しているか聞きたい。

(3)財源

・単独の公共事業としては最高額と考えるが、国の補助金の割合はいかほどか。どの省庁からどんな制度の補助金をどこに充てる予定なのか聞きたい。

・補助金と収入(持ち込みごみ処理手数料、プール等施設利用料、売電料金等)を合わせれば費用対効果や経済性は確保されると考えるのか聞きたい。

(4)パブリックコメント

・当初の予定よりも設備の規模も費用も増大していることから、一般市民への情報提供も不可欠と考える。コンセンサスは得られていると考えるのか。入札公示後の段階では遅きに失すると考えるが、新クリーンセンター単独でのパブリックコメントを実施する予定はあるのか聞きたい。

※通告している質問の下書きは以上になりますが、担当部署の回答によっては再質問と続いていきます。

【新クリーンセンターの設備整備に関する資料】

⇒こちらのページには足利市一般廃棄物処理施設整備基本計画【概要版】H29とR2の2つがあります。

↓ 平成29年当時に予定されていた建設費

⇒こちらのページには令和5年1月に告示された入札に関する資料があります。

↓ 入札予定価格は「入札の説明」p14~p15

↓ 新クリーンセンターの余熱施設については、「要求基準書」のp223~です。

↓ 利用料金の表は近隣の例です。

ちなみに、佐野市にあるごみ焼却場に併設された「みかもリフレッシュセンター」(コナミスポーツが運営)の料金体系はこちら

以前から余熱体験施設として農業研修センターに温浴施設がありました(センターはすでに解体済み)。⇒お風呂の画像はこちら(mixiより)

⇒他の市町村での余熱体験施設の具体例

【6/22 一般質問を終えての感想とまとめ】

6/23の下野新聞に一般質問の記事が掲載されました。

600億円もの予算で何を作ろうとしているのか?

私が初めて聞いた時の驚きは、多くの市民の皆さまと同じだと思い、構想が固まった和泉市長時代から現在までの流れ、特に費用について質問しました。

(1)余熱体験施設としてのプール等

記事には、新クリーンセンター建設の件で、競泳プール5レーン以上とトレーニングジム等がある余熱施設が作られると出ています。

平成30年に地元の方の要望で追加されることになりました。いわゆる迷惑施設に対する対策なので、それ自体は否定されるものではありません。誤解しないでほしいのは、地元の人はプールを作らなければ建設は許さないというような強硬な反対があったわけではありません。本当は一般的な競泳プールではなく、遠くからでも人を呼べるような、桐生市にあるカリビアンビーチのような娯楽施設を作り、足利にお金を落として行くことを望んだそうです。地元のためというより、足利のための提案だったということでした。それがなぜか競泳プールに。おそらく使える補助金との関係もあるかもしれません。

実際にどのような施設になるのかは、落札した事業者に委ねられるわけですが、予算的にカリビアンビーチが無理だとしても、せっかくならばウォータースライダーや滑り台、欲を言えば流れるプールに波のプール、温浴施設は温泉水を使うなど、少しの上乗せでそこまでお金をかけずとも周辺の施設とは違う付加価値を付け、継続的な集客を望めるような施設にして欲しいです。

ちなみに、市民プールの口コミを見ると、一般的な競泳プールで4.0点/5.0点満点を超える施設は見当たりませんが、ウォータースライダー等遊具がある施設は4.0点以上あります。

桐生ではなぜカリビアンビーチのような関東最大級の屋内プールが実現したのか?当時は国の特別な補助金を使えたからそうです(後で桐生市に総工費と管理時自費を聞いてみようと思います)。
コロナ前の話ですが事業者は赤字になっていないようです(市は別途、事業者に管理委託料を支払っているので、税金投入はしているはずとのこと。)。

一般質問を行う前に、余熱体験施設にプールができると書いたところ、桐生のカリビアンビーチのような施設ができるの?という質問がきました。それが実現するならワクワクする人も多いと思います。

人口の多い太田市でさえ、市民プールは老朽化ともに赤字が続いて閉鎖、茨城県龍ヶ崎市の施設も建設後3年までが利用者のピークで、その後13年は赤字を垂れ流し、20年ちょっとで閉鎖の議論が出ています。

逆に、「佐野やすらぎの湯」はかなり古い施設にもかかわらず、南平台から運んだ温泉を使用していていつでも混雑しています。

代替がきく施設は新しくなくなれば利用者も少なくなりますし、近くに競合施設ができればお客を取られます。
今から廃止することができないなら、どうせお金をかけるなら、ここにしか無い何かをそれほどお金をかけずに作れるものを事業者には提案してほしいと思います。

(2)600億円もの入札予定価格について

建設費の増加についてはオリンピックの高騰から物価高に入った影響で2倍になったことが大きいとの説明を受けました。

個々の内訳については、入札に影響が出るのでまだ公にできないそうですが、落札者が決定する10月以降には情報が出てくるかと思います。

(3)なぜ公共事業が一般よりも建設費が高くなるか?

工程ごとに県の基準が設定されていて、それを参考にしていますが、一般の建設・土木工事よりも価格が高い代わりに技術基準が厳しくなっているからという説明も受けました。

実際の落札では、予定価額の80〜90%に収まることが多いそうです。

また、今回は焼却炉の建設に環境省から費用の1/3、プール等の施設に文科省から1/3の補助金が出る予定だそうです。

削れるところは何とか努力していただきたいです。

(4)地元にお金を落としてもらう公募

新クリーンセンターの事業は、焼却炉の建設、その他の建物の建設、焼却炉・余熱体験施設それぞれの管理運営事業と別れています。

今回の入札方式は、特に建設業・土木事業者を地元企業から選び、数社がまとまって特別の会社を設立し、1つのグループとして応募することになっています。

焼却炉の建設ができるのは全国でも10社前後に限られているそうなので、プラントは大企業が担当しますが、その他の事業は地元企業と組んで行うことになるはずです。

国交省では公共事業の際に地元企業を優先的に採用する指針を示しており、足利市もこれに従っています。

一般的な価格だけの競争入札ではなく、総合評価で落札者を決定する方式になりますが、その中に価格の評価も含まれています。

(5)有料ゴミ袋の値上げについて

過去の一般質問を遡って聞いていたら、平成30年くらいからごみ袋の製造が赤字になっているので、値上げしても良いのではないかという議論が何度か出ていましたので、新クリーンセンターの建設・運営費が高額なだけに、これを機に値上げしても良いのではないか質問しました。

一時的に赤字にになっていた時期もありますが、現在は製造業者を変えたりして黒字を保っているそうです。赤字が続けば値上げの可能性はありそうです。

平成20年、吉谷市長の時に導入され、初回の価格は10枚入りで600円。大豆生田市長は選挙で無料とする旨公約していましたが、結局150円になり今に至ります。

有料化の際にはごみのポイ捨てや家庭ごみを他の施設のごみ箱に捨てる等の懸念がありましたが、600円時代でもそのようなことはなかったそうです。

(6)まとめ

どの企業がいくらで落札するのか?

足利史上最大額の公共事業ですので、市民の皆さまにも今後の動向を見守っていただきたいと思います。

【メディアの報道等】

⇒2019/12/18 施設整備基本計画の原案について(日本工業経済新聞社)

⇒2021/11/30 入札に関する建設業界の新聞記事(日本工業経済新聞社)

⇒2022/11/2 入札に関する建設業界の新聞記事(日刊建設新聞)

⇒広報誌での記載(あしかがみ2023年2月号)

【南部クリーンセンター地図】

【南部クリーンセンターをドローンで撮影した動画】


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