【議会】令和5年第4回市議会定例会 一般質問 中橋ハイツ他

【目次】


【会派結成後初の一般質問】

2023年8月23日より令和5年第4回市議会定例会が始まりました。

9月11日から9月13日までの4日間、質疑に合わせて一般質問が行われました。

初日は会派枠となっており、会派代表質問が2名登壇しました。

8月4日に『織姫クラブ』結成の届出を出しましたので、黒川代表の会派初質問となりました。

『織姫クラブ』からは、3名全員が登壇しました。


【用語解説】

一般質問とは、定例会において、議員が市の施策の状況や方針などについて、報告、説明を求めたり質問することをいいます。

一般質問は3日間(+予備日1日)が予定されており、1日最大4人が登壇します。一問一答方式で、質問は一人30分以内の時間制限があります(答弁の時間は含まず)。

代表質問は会派の代表者が初日に行います。形式は一問一答方式で同じです。本来であれば、会派を代表する内容の質問でなければならないはずですが、議員個人の関心のある事項の質問であることも多いです。


【一般質問の通告書】


【用語解説】

一般質問の発言通告書とは、一般質問を行う議員が、あらかじめ当局に対して質問する項目を明らかにする文書のことを言います。

会派の代表枠以外は、一般質問の通告書を提出した順番に、日程の枠を選ぶことができます。


【一般質問の概要+α】

一般質問の詳細については議事録又は動画でご覧いただけます。

ここでは、補足情報を掲載いたします。

2023年9月13日現在の情報ですので、今後変更になる場合がございます。


【1、中橋ハイツについて】

質問をしようと思ったきっかけ

議員になる2~3年前に中橋ハイツに仕事で入ったことがあります。入口にある入居者のネームプレートが半分くらいしか埋まっていないことに気づきました。その後、議員になり、見てみるとやはり入居者が埋まっていない・・・。

中橋ハイツに引っ越そうかと視察がてら3つの部屋を見せてもらいました。築30年と年月を経ている割には、壁紙や床、システムキッチンもほぼ新品で、民間のマンションに比べ手入れが行き届いているにもかかわらず、なぜこんなに空室ばかりなのか?確かに値段は少し高く感じるけれど・・・。
中心部にある立派なマンション。しかも、税金を投入している公営住宅なのです。何とかして満室にする方法はないのかアイデアを提案することにしました。

※質問と答弁は動画でご覧いただけますので、ここでは質問の背景や執行部の答弁についての感想などを述べたいと思います。

(1)空室状況と募集方法

質問)現在の空室状況は64部屋中32部屋あり、空室率50%にも上る。好立地、オートロック付、都市ガス、眺望抜群の同レベルの民間マンションに比べても低いと考える。1か月に3室程度の募集しかしていないが、入居者が決まらないうちに畳等の入れ替えを行うと劣化が生じ効率的ではない等、予算の都合上、募集数も限定していると聞く。入居時までにはリフォームすることを前提に募集数を増やすことはできないのか。

参考資料⇒中橋ハイツの募集要項はこちら(おりひめプラザ)

解説)市営住宅の場合、前の居住者が退去後、次の入居者のために修繕がなされますが、一度に修繕できる予算は限られているので、3部屋くらいしか修繕できずに募集もできないということになっています。
(噂によると、風通しもしていないので内覧させていない部屋は状態が悪いらしいです。)

ほかの市営住宅も毎月3部屋くらいしか応募していません。

参考⇒今月の募集状況(おりひめプラザHP)

多く募集すればその分、人も集まるのでは?と考えたのですが、現実は厳しい。

低所得者向けの市営住宅は高齢者が多いようですが、4階建てにもかかわらずエレベーターがないため、1階の方が人気で抽選になることもあるそうです。中橋ハイツの場合、毎月3部屋募集しても一人も入居なし。

多くの方に選んでいただくために、物件自体の魅力を上げなければいけません。

ちなみに、中橋ハイツは所得に関係なく居住できる「特定公共賃貸住宅」と言います。3階までが市立美術館の施設、4階からが住宅になっており、4階は子育て支援のため他の階よりも家賃が割引されています(50,000円~59,000円 )。こちらは、ほぼ常時満室になっています。5階以上は一般の方を対象としていて、家賃は69,000円~83,000円(共益費5,000円、駐車場5,500円は別途)です。

3年ほど前から、法人名義で3部屋以上かつ1年以上借りる場合には、25%ほど割引されることになりました(52,000円~62,000円)。しかし、法人名義で契約しているのは1社だけということです。

最近は共益費と駐車場も値下げしました。

割引しても借りてくれない・・・。それはなぜなのか?

中橋ハイツのメリット
足利市の場合、比較的ハイレベルな分譲マンションにはオートロックがついていますが、賃貸物件のマンションではなかなかありませんし(築浅の高級アパートだとついていますが)、都市ガスですし、足利の花火もベランダからよく見えます。部屋の広さも64平米~73平米と一般的な分譲マンションよりも広めです。JRと東武線のどちらの駅からも徒歩10分圏内、バス停は目の前ですし、条件は良いはず。河南の物件と比べると、人気のガーデンパレスわたらせと同等といえると思います。

中橋ハイツのデメリット
しかし、買い物の利便性でいうと河南よりも劣ります。また、駐車場が建物のそばにはなく、南にある地下道を抜けて徒歩3~4分かかります。

そうすると、同等レベルの物件と比較して利便性が低いために家賃が高く感じてしまうのでしょう(市は周辺よりも安いと言いますが、比較の対象が市民目線とは少し違うと感じます)。

家賃を下げれば話は早いのですが、市営住宅が安くて快適すぎると民間の物件にしわ寄せがいくということで(民業圧迫)、一度に大きく値下げすることは叶わず。

そこで、家賃を下げずとも選ばれる物件にするために(2)で具体策を考えていきます。

(2)入居率の改善策について

質問)入居率を上げる対策として、①家賃の減額、②子育て世代の階数を増やす、③家賃保証会社の利用も可能にする、④未婚のカップルの入居を認める、⑤入居者がリフォームできることを売りにする、⑥土日祝日もおりひめプラザを営業する、⑦HPにタイプ別の写真を常時掲載する等、様々な方法があると考えるが、各々可能かどうか、できない理由も聞きたい。

解説)①家賃の減額の提案
上記の通り否定されました。

②子育て世代の階数を増やすことを提案
子育て世帯の増加は実質家賃の値下げになりますが、中心市街地に子供の人口が増えることは好ましいことですし、市外からの移住促進にもつながると考えます(足利市の市営住宅は市民以外でも入居できます)。

今後の対応に期待)しかし、他の住居者から子供ばかりだとうるさいと苦情が来るかもしれないと考えているらしく却下されました。些細なことでクレームを言う人に合わせたのでは何も物事は進みませんので、チャレンジしてもらいたいです。

③家賃保証会社の利用も可能にすると提案
現在は、保証人を1人つけなければ入居できません(以前は保証人が2人必要でしたが緩和されました)。身寄りのない人が保証人を頼むのも大変ですし、最近の民間の賃貸物件はほとんどが保証会社を利用できるので、それに合わせたらどうか。年1回の更新で1万円ちょっと払えば家賃不払いだけでなく、退去時の修繕なども補償してもらえる会社もあります。
今後に期待)保証会社の利用は現在検討中だということでしたので、早期の実現を期待します。

④未婚のカップルの入居を認めることを提案
これから結婚するかもしれないし、しないかもしれない。しかし、若いカップルが入居できるのであれば、選んでもらえる可能性は高まりますし、その後結婚すれば将来の人口増にもつながります。
この点について、現在の運用は、原則として戸籍上の親族でなければ同居できませんが、例外として、いわゆる「内縁の夫婦」(入籍はしていないけれど長年夫婦同様の生活の実態があるカップル)であれば入居を認めています。まだ実際には入居の例はないそうです。
また、内縁関係にはなくても、婚約の事実が証明できれば結婚に準じた取り扱いはしているようです。
さらに、令和4年9月から「とちぎパートナーシップ宣誓制度」の開始により、性的マイノリティのカップルの入居も可能になりました(具体的な適用の有無は担当課にお問合せください)。
今後の対応に期待)婚約までしていなくても、若いカップルの同棲を認めれば、もっと入居の応募者が増えるかもしれません。

⑤入居者がリフォームできることをウリにする提案
 私が実際に内覧をして感じたのは、当初は天然木のフローリングだったのが、修繕により見た目がちょっと安っぽいクッションフロアに変わってしまっていた部屋があり、家賃相当の価値がないなと思った点です。
中橋ハイツに申込をしてから実際に入居できるまで、手続きの関係でおよそ2か月近くかかるそうです。そうであるならば、入居者に好みの部屋にリフォームすることを認めたらどうか。最近は、首都圏のURが無印良品とコラボをして古い物件をリノベーションした例もあります。
毎月の入居者が数名程度であれば、入居までのリフォームにも間に合うでしょうし、市内のリフォーム業者を選んでもらえば経済効果もあると思います。

これに対する回答は、賃貸物件なので無理だということでした。現状では、給湯器が古くなって取り換えるくらいしか認めらていないそうです(他の低所得者向けの市営住宅の場合は、非ウォシュレットをウォシュレットに変えることは可能とのことです)。

その後の対応)質問の後、内覧できる3部屋をモデルルームとし、入居者にはどういう部屋にリフォームしてもらいたいか希望を尋ねることになりました。一歩前進したといえます。

⑥土日祝日もおりひめプラザを営業する提案

市営住宅は、織物会館内にある「おりひめプラザ」という事業者が市の指定管理者として管理運営を行っています。
市営住宅は、毎月決まった期間に募集を行いますが、それ以外の期間でも部屋を見せてもらうことは可能です。遠方から引っ越しを考えている方もいらっしゃると思いますが、平日しか営業していないとなかなか内覧もままならないのではないかと思います。そこで、土日祝日も営業できないのか聞きました。

人員の確保や予算の関係上、実現は難しいということですが、毎月1回は休日対応できる日を決め、代わりに平日を休みにするようにしてもらえればと思います。

⑦HPにタイプ別の写真を常時掲載する提案

「おりひめプラザ」のHPには、タイプ別の間取り図の一例(平面図)が掲載されていますが、間取りごとの写真はありませんので内覧してみないとイメージがつかみにくいと思います。
そこで、現地に行かなくても分かりやすいように写真の掲載を提案しました。

質問のきっかけ)私が議員になる2~3年前ですが、「SUUMO」という不動産情報サイトに中橋ハイツの入居者募集の案内が出ていました。全部で10部屋近く出ていたと思います。そこで気になったのは、説明文にはトイレがウォシュレットと書いてあるにもかかわらず、トイレの写真がウォシュレットではなかったことです。
さっと見て目に付くのは写真の方なので、今どきウォシュレットではないのか、賃料に見合っていないとページを離れた人もいるのではないか。借りる人の気持ちを考えた広告掲載をして欲しいと思いました。
結局、広告掲載していたにもかかわらず、ほとんど入居者はいなかったということです。それならば、自サイトがあるのだから、そこで写真を掲載しておけばいいのではないかということで提案しました。

その後)まだ、写真の掲載は実現していません。

⑧ペット可の物件にする提案

一般質問では省略しましたが、最近はハイクラスの分譲マンションでもペット可をウリにしているところが増えていますので、聞いてみました。しかし、現状でペット不可の物件を可にするには入居者の反対が大きいので無理だろうと言われました。
ペットに対する考え方は人それぞれですが、足利市内は全ての避難所においてペットの受け入れを可としていますので(2024年9月現在)、マンションでもルールをきちんと決めて守ってもらえば、そこまで大きなトラブルは起きないのではないかと思うのですが。
(後日、動物アレルギーの方に聞いたところ、エレベーターにペットがいなくてもクシャミや体がかゆくなるなどのアレルギー症状が出るので、無理だと言われました。)

質問2の感想)今回は担当部長の体調不良により、代打での答弁となりました。そのせいもあるのか、私の質問スタイルが今までの議員の一般質問のやり方と異なるのか、個別の提案に対して答えてもらえず、傍聴者からは質問と回答がかみ合っていないというアンケートをもらいました。

具体的に進めているが決定していない事項には答えられないということもあるのかもしれませんが、聞いている市民からすると何もする気がないように見えてしまいますので、質問の意図を共有しないといけません。

続きはまた後で。

2、中央及び大日西の土地区画整理事業について

(1)歴史文化遺産の発掘調査

質問)・周辺地域はかつて鑁阿寺の一山十二坊のあった場所として、歴史・文化遺産が埋蔵されている可能性が指摘されているが、どの程度予測ができているのか。
・発掘調査についてどのように行う予定なのか知りたい。

(2)事業完了後の街並み

質問)・鑁阿寺西側の道路は「シンボルロード」と名付けられ区画整理事業が進められているが、何をシンボルにどのような街並みを想定しているのか、それに向けて現在、具体的に進んでいる事柄について聞きたい。

(3)まちなか修景の助成金

質問)・区画整理区域は足利学校・鑁阿寺周辺の景観重点地区とも重なり、足利市景観ガイドラインでも景観への配慮が細かく規定されているが、直近の数年間の「まちなか修景」助成金の申請件数と支出額の内訳が知りたい。また、どのような相談が多かったのか。

・助成金の上限は200万円だが、ある程度の和風建築が増えることは期待できても、歴史・文化の香りを承継するような特徴的で風情ある建物を建築するには金額面でのインセンティブが弱いと考える。区画整理を機に助成金の上限も思い切って500万円、1,000万円に引き上げ、その代わり、条件を厳しく設定していくことは考えられないか。そのような対応は可能か。

 

  • 3、新型コロナワクチン秋接種について

(1)副反応報告と秋接種への対応

質問)・現在まで相談があった①副反応の件数及び②国に救済を求める申請件数と内訳(死亡・後遺症)について知りたい。

・相談があった中で、死因や後遺症に基礎疾患や接種後の状況等、一定の傾向はみられるか。

・国から後遺症の認定があった小山市や鎌倉市では「ギランバレー症候群」と明記している。アナフィラキシーや発熱以外にも、発症しやすい傾向のある重篤な症状について接種予約のページの分かりやすい場所に注意書きを明記すべきではないか。対応する予定はあるか。

 

【令和5年度9月定例会の一般質問の動画】

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